赤ちゃん好きなトルコ人。

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運転手さんに抱かれたりっきーに集まるトルコ人の若者たち。まるでスター気分! 
 
 
「トルコ人は赤ちゃんが大好きよ。いきなりキスとかされてもびっくりしないでね。」と旅行前に言われていた。「ふーん、そうなんだ。」それくらいにしか思っていなかった。しかし、トルコに行ってびっくりした。トルコ人は、本当に本当に半端じゃないくらい赤ちゃん好きなのだ。 
 
スキポール空港の出国審査を通って私たちの便が出発するゲートに向かった。そこにはすでにたくさんの人々が列を成していた。列の最後尾に並ぶ。すると前にいたトルコ人らしき家族がりっきーの存在に気がつく。10代前半らしきお姉さんが妹にうれしそうに話しかける。妹らしき女の子はすぐさまかがみこんでりっきーの手を触ってなにやらやさしく話しかけている。お母さんらしき人もりっきーを見てお父さんらしき人の袖を引っ張って話しかけている。しきりに「ベベッキ、ベベッキ」という単語が耳に入ってくる。どうやら、これがトルコ語で「赤ちゃん」という意味らしい。とにかく家族全員でひたすらりっきーを触りまくり、わいわい騒いでいた。 
 
機内では意外にもりっきーはおとなしかった。特に愚図ることもなく、私のひざの上でおもちゃで遊んだり私の髪を引っ張ったりして遊んでいた。離陸時の授乳もすんなり済んだし、離陸後しばらくするとりっきーは眠りに落ちてくれた。2時間位するとだんだん飽きてきたのか奇声を上げ始めたので立ち上がって通路を歩いて最後尾まで行って戻る、ということをやってみた。とたんに機嫌がよくなってニコニコし始めるりっきー。すると、座席のあちこちから手が出てきてりっきーを触ろうとする。最初はちょっとびっくりしたが、りっきーはうれしそうにしてるので、気分転換にいいだろうと、手を出してくれる人のところで止まってみたりした。おかげでりっきーは全く退屈しなかったようだ。 
 
イスタンブール空港に到着、飛行機を降りてバスに乗り込む。りっきーの乗ったベビーカーをバスに上げようと、ベビーカーを持ち上げようとしたらそこかしこから何本も手が出てきてベビーカーはあっという間にバスの中に入っていた。バスの中で、老若男女問わずりっきーを見てなにやらうれしそうに話し合っている。またもや「ベベッキ。ベベッキ。」という単語が飛び交っていた。毛むくじゃらの手がにゅっと出てきてりっきーのほっぺたをつつく。びっくりしたりっきーは思わず泣きべそになる。そうするとまた回りのトルコ人たちは「おー。」などという歓声を上げながらうれしそうに話し合っていた。 
 
出口で迎えてくれた爺婆と一緒にホテルへ。ベビーカーを押して歩いていると、とにかくトルコ人はみな振り返ってわざわざベビーカーの中のりっきーを確認する。そしてりっきーを見つけると歩みを止め、りっきーの手や顔を触る。この触り方が面白い。なでるとか手を握るとかではなく、ほっぺをつねったりつついたりする。空港内のバスではそれをされてびっくりしていたりっきーだったか、何度も何度もやられているとだんだん慣れてくるらしく、最後の方ではつねられてもつつかれてもびくともしなくなっていた。(笑) 
 
ある日の午後、足の悪い爺とベビーカーのりっきーのことを考えて、ホテルで運転手つきの車を借りて市内観光へ出かけた。この時の運転手さんもりっきーを見ると大喜び。観光名所を回る時、運転手さんはずっとりっきーの世話をしてくれた。ベビーカーを押し、りっきーが愚図れば抱っこをし、私たちが買い物をしたり宮殿や寺院の中に入る時はりっきーを抱いて外で待っていてくれた。道ががたがたでベビーカーが通れない時はりっきーを乗せたベビーカーごと抱き上げて歩いてくれた。最初は怖がっていたりっきーも、すぐに彼と仲良しになってまるで彼はりっきーのボディーガードのようだった。 
 
とにかく、赤ちゃんのいるところには人が集まって来る。ブルーモスクというイスタンブールでも有名な観光名所に行った時も、会う人会う人みなりっきーにキスしたり手を触ったりつついたりしてきた。中には抱かせろというジェスチャーをする人も結構いた。日本人と見るなり日本語で客引きをしてきて、中にはかなりしつこくて悪質なものもあるときいていたグランバザールという市場でも、私たちを見ると確かに最初は日本語でなにやら話しかけてくるのだけれど、りっきーを見つけるや否や客引きなんてそっちのけでりっきーにかかりきりになってしまう。みながそうだから結局私たちは一度も客引きに会うことはなかった。 
 
トルコ人の赤ちゃん好きは老若男女問わずだ。5歳くらいの女の子でもりっきーをみると駆け寄ってくる。20代前半の青年が自分の持っていたカメラつき携帯で写真を撮って、それを自分の友達にメールするんだと言って撮った写真を見せてくれたこともある。50歳くらいのおじさんがりっきーを抱かせろというジェスチャーをするから抱かせてあげたらそりゃあもう大喜びだった。そしてみな必ず「私には3人の子供がいる」とか「僕には生まれたばかりの弟がいる。」とか「私の妻は今妊娠中だ」と自分の赤ちゃん状況を報告してくれるのだ。毎日朝食を食べていたホテルのレストランでも毎日毎日ウェイターからウェイトレス、宿泊客がりっきーに挨拶をしに来てくれた。お店に行けばお店の人が「これをどうぞ」とトルコの赤ちゃん用の目玉のお守り(悪い目から赤ちゃんを守ってくれるという)やおかし、バナナやおもちゃなんかをプレゼントしてくれた。 
 
先に書いた運転手が言っていた。「トルコ人は赤ちゃんが大好きなんだ。多分、大好きすぎるね。だからトルコはどんどん人口が増えていく。決して裕福な国ではないのにね。でも、赤ちゃんは宝物だからしょうがないよ。赤ちゃんの微笑みはみんなを幸せにしてくれるだろう?」トルコは決して裕福な国ではない。この運転手も以前は銀行で働いていたという。でもフルタイムで働いても月にたったの300ドル(3万円くらい)しか稼げなかった。だからこの職業に就いた。月給は変わらないが、お客さんからもらえるチップがある。これが結構馬鹿にならないのだという。大学を出てもこの月300ドルの仕事にすら就けないことがある、と彼は言う。それでも、僕たちは子供を作ってしまうんだ。赤ちゃんが幸せを運んでくれると思うからね。りっきーを抱きながら彼はそういった。 
 
赤ちゃんは私たちの宝物。こんな当たり前のことを思い出させてくれたトルコの人たち。りっきーを通してみたトルコは最高だった。トルコの人たちはとてもやさしかった。正直、トルコに来るまでトルコ人に対してあまり良い印象を持っていなかった私。でもこの旅行でそれはすっかり変わった。トルコ人は とてもすてきな人たちだ。少なくとも、トルコ人よりも生活は裕福であるけれども、ベビーカーを抱えて四苦八苦してるのにだれも助けてくれなかったり、妊婦だとわかっているのに席を譲ってくれない日本人よりは、何倍も何倍も 心の豊かな人たちだった。 

旅行の最終日、ホテルをチェックアウトしていた私たちに一人のトルコ人女性が近づいてきてこう言った。「この一週間、あなたのベイビーの愛らしい姿を朝食の時間に見るのがとても楽しみだったの。毎朝、私たちに微笑を与えてくれてありがとう。あなたのベイビーは天使よ。」そしてりっきにキスをして去っていった。ものすごく、うれしかった。
 
赤ちゃん連れのトルコ、本当にお薦めします。

 

僕のボディーガード。

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