第二子出産記録。

2006年6月6日。

5:30

とうとう出産当日の朝。意外と夜はよく寝れた。前回もそうだったけど、むろはあんまり寝れなかったみたい。りっきも何度か目を覚ましたらしいし、聞いたら爺も婆もよく寝れなかったって。私以外みんな寝不足っぽい。(笑)りっきのお弁当を作って、朝ごはんを食べて家を出る。外は久々の快晴!「そら」も真っ青でいい感じ!
7:00

町中が「そら」の誕生を祝ってくれている!・・わけではなくて、ワールドカップでお祭り騒ぎ。

病院着。産科はいつもの1階ではなくて2階だと聞かされていたのでエレベーターであがる。受付で名前を言うと、おくの部屋に通される。窓もない、くらーい部屋。 ここで産むのかなあ。看護婦さんにきいてみたら「今日はあなたは赤ちゃんを産むまでここから一歩もでれないわよ♪」と言われたのでどうやらそうらしい。ま、いいけど、産気づくまでもうちょっと明るい部屋だったらよかったなぁ。せっかく天気いいのに。

ベッドに腰掛けていたら、めがねをかけたでっかいミッドワイフ(助産婦)さんがやってきて「おはよう!今日は6・6・6ね。素敵な日じゃない!」と明るく言われた。やっぱオランダでも別に「6・6・6」だからって不吉とかないのね?(調べてくれた人がいたけど、「6月6日」ってキリスト教でも別に不吉の日でも何でもなくて、逆に「愛の日」と呼ばれているらしい)「今日はあなたが赤ちゃん産むまで私は家に帰れないの。だからがんばってね♪」と言われる。そんなサラリとプレッシャーかけんでも・・。(笑)

まずはNSTという機械にかけられる。お腹の赤ちゃんの心音と子宮収縮の具合をはかる装置だ。機械につながれると同時に赤ちゃんの規則正しい心音が聞こえてきて、モニターには子宮の収縮の様子がでる。まだぜんぜん収縮(陣痛)は始まっていないようだ。やっぱり、もしこのまま自然でまってたら、予定日過ぎてたね、きっと。

助産婦さんがむろと私に「何か飲み物は?」ときくので、むろはコーヒー、私はお水をオーダーした。自分用に小さいお弁当を作って持ってきたけど、そういえば麦茶の水筒を持ってくるのを忘れたことに気がついた。しばらくしてコーヒーが運ばれてきたけど、私のお水がない。「お水は?」ってきいたら「あ!ごめん!忘れてたわ!」といいながら部屋についていた水道からお水をコップに入れてくれた。水道水かよ・・一口飲んであまりのカルキくささにびっくり。あとでむろに売店でお水を買ってきてもらおう。

むろだけど、今回は立会いができない。どうしてもどうしてもはずせない会議があるのだ。スーツを着ているむろに助産婦さんが「あなたは今日は立ち会うの?」ときいた。「いえ・・僕はこれから行かなくてはいけないんですが・・・。」とばつが悪そうに答える。なんとなく、少し小さくなっているようにみえる。気にしなくていいんだよ〜。

7:45 「浣腸しますよ〜。」と看護婦さん。私のTシャツをめくって、有無を言わさずパンツを下ろす。ちょっとまて。むろにあわてて「出てけ〜」と指示。あわてて出て行くむろ。りっきのときもおもったけど、旦那に浣腸されてる姿なんて見せられねーっつーの!「5分から10分くらいできいてくるから・・」と看護婦さんが説明している最中に「失礼!」とベッドを飛び出して部屋に備え付けのトイレに直行。1分もかからなかったわ。なんせ普段から一日3回うん○する人ですから、私。おほほほほ。15分くらいトイレに閉じこもってたけど、なんか中途半端で終わった。これは、後でまた出るかも。やだなぁ。
8:05 誘発剤を入れるためのチューブを血管に入れます、といわれる。この作業は先生じゃないとだめだから、先生がきたらすぐやってもらいますね。と、看護婦さんがそのための準備を色々と始めた。しばらくして「今おきて、シャワー浴びてきたばっかりです!」みたいな先生がやってきた。この先生、私に『無痛分娩は個人の選択権のひとつです!』と言い放った若先生。ぬれた髪の毛に、シャツにジーンズ。「おはよ〜!!いい天気だねぇ〜!!今日は最高の分娩日和だよ!」なんて妙にさわやか。でも医者泣かせと言われる私の静脈(なかなか見つけにくいらしい)を見つけるのに案の定苦労して、結局私の左腕は青あざだらけの血だらけに。「いやー難しかったね〜。でも、いいところに打っといたからね。これならばっちりさ!じゃ、よいお産を!!」とさわやかに握手してさわやかに去っていった。思いっきりヒトゴトだよな〜。
8:30

 

看護婦さんが今後の予定を説明。まずこの後、上の手術室に行き、そこで無痛分娩のための処置を行います、という。ここの無痛分娩は硬膜外麻酔を使用。、硬膜外麻酔とは、「硬膜外腔」と言うところにチューブを入れて、このチューブから局所麻酔薬を注入する。このやり方だと麻酔が持続できるので、分娩の最後まで痛みを感じないですむ、というわけ。手術室で処置を終えたらこの部屋に戻ってきて、誘発剤を投入して、人工的に陣痛をおこして分娩させます、という流れらしい。無痛分娩、ということ以外は前回のりっきの時の流れと同じだね。

しばらくして一人のえらくがたいのいい女の人が入ってきた。握手をしながら「覚えてる?私、あなたの最初の子供の分娩の時にも会ってるのよ。」だって。私はぜんぜん覚えてません。が、「あー!!!」と一応覚えているようなフリをしてみた。(何で?)なんかちょっとえらそうなこの人、どうやら産科の責任者っぽい。「確認をしたいんだけど、あなたは無痛分娩を希望していますね?」えーっと、9ヶ月前からずっと希望し続けてますが、それが何か?「はい、そうです。」「無痛分娩ですが、無痛といっても必ずしも完全に無痛、というわけにはいかないかもしれません。それでもいいですか?」え?どういうことですかそれは?「多少の痛みを感じることもある、ということです。でも、普通分娩から比べたらぜんぜんないのに等しい痛みですけれど。」「ああ、そういうことでしたらそれはぜんぜんOKです。」「わかりました。それでは、これからあなたを手術室に運びますからもう少し待っていてください。」そういって部屋を出て行った。「多少の痛み」ってどのくらいだろう?ちょっと不吉な予感がよぎった。が、まあ、硬膜外麻酔の処置をするんだから、死ぬほど痛いってことはないだろ。

そろそろむろが会社に行かなくては行けない時間になった。私が「もういいよ。会社行って。あとは母さんが来るから母さんに任せるよ。心配すんな〜。」というと 、「そう?じゃあ、がんばってください。」と一言言って部屋をあっさり出て行った。ちょっとあっさりしすぎじゃね?「がんばれよ!おれ、ずっと祈ってるからな!ちゅーっ!!」くらいあってもよくね?(苦笑)

8:40 看護婦がやってきて手術室に連れて行かれることに。まず服を脱がされてすっぽんぽんに。上にシーツをかけられる。そのままベッドに横たわったまま移動。エレベーターホールにつくと、思いがけずそこでコーヒーを飲んでいる男の人が。ちょっとまて。私は今すっぽんぽんじゃ。あわててシーツを上に上げるが、あのおっさん絶対私の乳みたで。

手術室につくと、子供の泣き叫ぶ声が。オランダ語だけど、「痛いよー!!!痛いよー!!!ママー!!!」と叫んでいるのがわかる。やめてほしいな。怖いじゃん。(汗)手術室、といってもえらく広くて長細い部屋をカーテンで仕切れるだけになっていて、その部屋の端っこで子供の手術?が行われているらしい。「いやーーーーー!!!」と絶叫が響きわたってかなり緊迫した雰囲気。私はその部屋の反対側の隅っこで心臓をバクバクさせていた。付き添いの助産婦さんが「かわいそうにねぇ。痛いのねぇ。でも子供って大げさだから。」と一言。いーや、あれはかなり痛そうだと思われます。

血圧を測ってNSTをつけて、それから何かわからんチューブを鎖骨のあたりにつけられて、左腕にはさっきの誘発剤のためのチューブ、右腕には血圧計、お腹にはNSTと、なんだかわけがわからなくなるくらいチューブをつけられまくった私の体。こんな状態で麻酔医であるという女性がやってきて握手を求めてきたが、何本ものチューブにつながれているために、手を伸ばすとあっちが取れ、こっちが取れ、という感じになってしまうので仕方なく左手の小指で握手した。・・・てか、そこまでして握手を求めるな。

「それではこれからあなたの背中にチューブを挿入します。まずはじめにチューブを入れるときの痛みを感じさせないための皮膚麻酔をします。それからチューブを入れて、麻酔薬を硬膜外腔に入れられるようにしますね。この麻酔薬は局所麻酔ですから、陣痛を感じる部分だけに効くようになっています。ただし、この麻酔を入れても、人によっては多少の痛みを感じることはあります。でも、あなたの前回の出産から比べれば全然ましですから大丈夫。」という説明を受けた。うーん、ここでも「多少の痛み」の念押しか。なんかさらに嫌な予感がするんですが。

9:00

ベッドの上に起き上がって、と言われて処置開始。まずは皮膚麻酔。ちくっとしますよ〜と言われたとおり、ちくっとした。そして、「はい、それではチューブを挿入しますね〜少し違和感を感じるかもしれませんが気にしないでください〜。」違和感ね。しかしそれは違和感ではなく、一瞬の激痛!「いでえええ!」と思わず声を上げる。が、一瞬で終わり。「あら、痛かった?でももう大丈夫よ。これで痛いのはもうおしまいだから。」じゃあ、あの最初の皮膚麻酔は何のため?(涙)

薬が赤ちゃんに問題を起こさないかどうかモニターしますのでこのまま少しここで寝ていてください。と麻酔医に言われた。20分ほどじっとしていると、隣のカーテンに人が入ってきた。どうやらもう一人この同じ処置を受ける人がいるらしい。私の血圧を測っていた助産婦さんが「最近無痛分娩を希望する人が増えてね〜。今日はあなたを入れて3人もいるのよ。」だって。ほーら、みてごらん。ダレだって痛くないのがいいに決まってるワイ!なんて思ったりする。しばらくして隣が忙しそうな感じに。オランダ語でさっきの先生が私にした説明をしているようだ。そしてしばらくして、「○△■×!!」という声にならない絶叫が。やっぱ痛いんじゃん。(苦笑)すると先生が「痛いのはこれで最後だから。」とおんなじ説明。ほんとかよ〜。(疑)

10:00 「それでは戻りましょう。」とまたベッドに寝たままもといた部屋へ。今度は用心してシーツを深くかぶっていたけど、さっきの場所にあのおじさんはもういなかった。ちぇーっ。部屋に戻ってみると、すぐ母がやってきた。たくさんのチューブやらコードやらにつながれた私をみてなんか落ち着かない感じ。

助産婦さんが「それでは強制破水します」というので、母に外で待っているように言った。助産婦さんがなにやら物騒な器具をだして私に見せ「これで卵膜を破るからね〜。」と説明。いや、そんな恐ろしげな器具、見たくないんですけど・・。ぐぐぐぐぐ〜 、と、かなりの力で押される感じ。そしてぱつっ!という音とともに生暖かいものが。羊水だ。あったけぇ・・と思わず声に出したら助産婦さんが「そうよ〜。赤ちゃんはこんな暖かい水の中に9ヶ月もいたのよ〜。これじゃあなかなか出てきたくなくなるわよね。オランダは寒いから。」だって。全くそのとおりだ。

赤ちゃんの頭にモニターをつけます、となにやら下でごちゃごちゃやっている。尿道にカテーテルも入れるらしい。なんかごちゃごちゃやってるけどよくわかんないのは麻酔が効いてる証拠かな?そういえば心なしか両足がしびれてる感じだ。

すべての処置が終わって、母を部屋に呼び入れた。両腕や胸のチューブやらコードにくわえてオマタからもコードやらチューブやらが出ている私に「スパゲッティー状態ってこのことね。」という母。ちょっと違うと思うけど・・。

看護婦さんが部屋を出て行くときに「これがナースコールだから、何かあったらこれを押してね。10分でくるから。」と言った。・・・って10分?!時間かかりすぎじゃね?!

11:00 誘発剤投入開始。
11:15 ん?なんか痛いぞ??生理痛みたいな痛み。NSTを見ると波型がグラフにでている。あ、陣痛だ。でも、何で痛いの?もしかしてまだ麻酔入ってないとか?でも、足、痺れてるよ???NSTの数値はこの時点で最高値38。えーっと、前の出産のときはどのくらいで相当痛かったんだっけ?などと考える。母にNSTの数値の見方を教えてあげる。するとそれからやたらと数字があがると喜ぶようになる。「あがれ♪あがれ♪あがれ♪」なんてリズムつけてる場合じゃないって。「あらら〜。まだ50超えないわねぇ」って、おい。(怒)「数値が上がればあがるほどこっちは痛いんだぞ〜!」というと「だって痛みがこなければ赤ちゃんも出てこないじゃない。」だって。そりゃそうだ。

・・・って違うだろ。無痛分娩だろ?硬膜外麻酔だろ?数値が上がるほど痛みを感じててどうすんだ!でもかなり痛いんですけど。相当痛いんですけど。ハンマーで背中を殴られてるような痛み、ってよく陣痛をあらわす言葉だけど、それ、感じちゃってるんですけどっ!!!(怒)これはなんかおかしいぞ!ナースコールしてみる。

11:45

助産婦さんがくる。「あの、い、痛いんですけど、これ、って普通ですかね・・?」痛みをこらえながらきくと「あら、痛いの?それじゃあ麻酔が足りないのね。麻酔の量を増やしますからね〜。」なーんだ、そうだったのか。もっと早く言えばよかった。でもなあ、足は痺れてて感覚ないんだけどなぁ。なんで痛みは感じるんだろう??おかしいなぁ。母が「しゃべれる、ってことは効いてるんじゃない?」という。うーん、でもしゃべれるのは陣痛が来てないときだけだから・・・それって普通の分娩でもそうよね?

看護婦さんがやってきて「ランチでますけど、食べれる?お母さんの分もあるけど?」と言われた。とりあえずまだ陣痛は5分間隔くらいだから、食べれないこともないか、とお願いする。一応小さいお弁当作ってきたけど、ランチでるならそっちを食べよう。お弁当は母に譲った。すぐ看護婦さんがやってきて私のランチを持ってきてくれた。・・・・弁当にしておけばよかったよ。(涙)あわてて母さんから「おにぎり一つ頂戴!」とおにぎりを奪い取った。前回もこのランチだったのに何を期待してたんだか。

食事が終わったころからNSTの数値がどんどんあがり、それにつれて痛みもどんどんひどくなっている。 さっき麻酔の量増やしてくれたはずなのに。NSTの数値が69に届いたところで母が「あーっ!おしい!もうちょっとで70超えるのに〜。」などといっていたがもうそれに反応するのもつらい。間隔を測ってもらうと3分間隔だという。3分間隔でこの痛みって・・・もしかしてもしかしてそろそろじゃない?でもさあ、何度もいうけどさあ、無痛分娩って話はどこいったのよ?????

12:30 あんまり痛みがひどいので再度ナースコール。「さっき麻酔を増やしてもらったみたいなんですけど、痛みがひどいんですが・・。」すると看護婦さん、「もうこれ以上は増やせないから、麻酔医に連絡して追加でモフルフィネ打ってもらいましょう。」という。モルフィネって、前回のりっきの時に打たれたやつだよね?あれって眠くなるだけで陣痛は感じたんだよなーたしか。と思いつつも、それでもないよりましだと思い、「お願いします!」と訴えた。 なんで無痛分娩なのにモルフィネ打ってもらってんだよ!

波のように引いては返す激痛をこらえつつ、麻酔医がくるのを待っていたら、看護婦さんが助産婦を連れてやってきた。「麻酔医にもう一本打ってもらう前に、子宮口の開き具合を見てみますね。」助産婦が横で準備をしている間、看護婦さんが私に話しかけた。

ナース「今、何センチ開いてると思う?」私「え?あー、えーっと、10cm、全開!(いででででで・・)」ナース「まじめに答えて!」私「(何でやねん!怒)えーっと、ろ・6pくらいかな。(あーまた陣痛が!いでででででで!)」ナース「私は5cmだと思うな。賭ける?ふざけんなっ! (怒)

勘弁してくれよ・・と思っていたら、助産婦がやってきてごそごそと調べる。その時に「ああ、下の方は麻酔効いてるんだなーと実感。でも、なんで陣痛は感じてるんだよ?(涙)そして助産婦、あっさりと「あら10cm。全開ね。次の波でいきみたかったらいきんでいいわよー。」えええ?そうなの?もう全開なの?そういえば、さっきから痛みの最後にぐぐぐぐぐっと押される感じがあったな。

13:00 やった!思いのほか早かった〜!じゃあ、早速いきませていただきます。すっぽーん!と産んじゃってこの痛みともおさらばするぜっ!「もう全開だって。いきんでいい、って言われたからさ。」と母に告げるとさすがに驚いた母、「え?いきむの?ここで?」とおろおろし始めた。「怖かったら外出てていいよ。」と言うと、「ううん、大丈夫。」と母。あんなに立会い拒んでたのに、結局立ち会うつもりらしい。そういうもんなんだよね。

それじゃあ、やりますか、と両足をもちあげようとしたら、あれ?あれあれ?力が入らない。足を開いてひざを立てようにも、麻酔で麻痺した両足はぐったりと力なく倒れているだけ。看護婦に言うと、片足を持ってくれるが、いきもうにもお尻にも力が入れられない。こんなんじゃうん○もだせねーよ、っちゅーくらい情けないちからしか入れられない。それでも波が来るたびになんとかいきんではみるものの、全然だめ。「二人目はすぐ出るよー。」とか「1回のいきみで出てきちゃいましたー。」とかいう話はどこ行った。・・って、そりゃ、こんなに麻酔が下半身に効いちゃってたらいきめるわけないじゃん!じゃ、なにかい。私は余計なお金をかけて、痛みは普通に感じるけど、足は麻痺していきめないのでその分出すのに時間かかるお産、を選択したってわけかい?!勘弁してくれよ、おい。(涙)

今回の看護婦さんと助産婦さんはベッドの足もとにいすに座って並んで見てるだけ。私の陣痛の波が来てない時は二人で小声で何かをしゃべってる。私の陣痛の波がやってくると、話をやめて「はい、プッシュプッシュプッシュプッシュ・・・いーわよ、もうちょっとよ〜。」とマニュアルどおりの声をかけるだけ。はじめのうちは何か私のいきみかたとか今後の対策について話しているのかと思っていたんだけど、ふとした時に「アルバートハインの・・・。」とかいう言葉が聞こえてがっくりした。人が子供一人産み落とそうとしてるときにスーパーの安売りの話してんなって。(涙)

13:20 いきみはじめて20分、まだ出てこない。すると母が「そろそろ私、下にいかないと・・」と言い出した。実は今日爺が日本に帰国するのだが、2時半までに空港についていなくてはいけないのだ。タクシーで家から空港に向かうのだが、その途中で病院によって、タクシーは待たせたまま、産まれていればご対面をしていこう、という話だった。爺が病院に着くのが13:20。せいぜいいられる時間は15分。ということは13:35までに産まないと、爺はご対面できない、というわけだ。母は下にそろそろ着いているであろう爺を迎えに部屋を出て行った。それを見て看護婦さんと助産婦さんが「あらお母さんはどうしたの?」ときくので事情をせつめいすると、「そう、じゃあ、がんばって出さないとね♪」そう思うならもうちょっと手伝えよ。

しかしいまいちいきみが弱いので、とうとう助産婦さんが「麻酔切りましょうね。」と言ってきた。結局何の役にも立ってなかった気がするんだが・・。そしてベッドの下から足を固定する器具を出してきて「これ、つける?」と聞いて来た。っておーい。そんなもんがあるのならもっと前にだしてくださーい!!!麻酔を切られ、足を固定され、さあ、やっと本番という感じになった。陣痛の波が来てお尻の穴に力を入れてプッシュを始める。するとベッドの足元でいすに座ってた二人が少し前かがみになってきて「いいわよ、頭が見え隠れしてるから、その調子!」と言った。なんだよ、今までのプッシュは全然だめだったってことなんじゃん・・。(ため息)何回かプッシュしていると母が戻ってきた。「父さん、部屋の外にいるのよ。入っていいわよって言ったけど、『それは無理だ』だって・・。」って私も無理です。実の父にこの姿を見られるのはさすがの私も無理。時計を見ると13:30。あと5分で出すのか・・多分無理だな。私の様子をみてから母はまた外に出て行った。少ししてまた戻ってきてごそごそとベッドのそばにあったかばんの中をあさっている。「な・何してんの?」と荒い息を吐きながら聞くと、「いえ、仕事の書類をね・・」・・って、娘が赤子をひりだそうとしてる最中に仕事の書類探してんなよ!(怒)

探していた書類が見つかったのかなかったのかしらんが、また母は外に出て行った。もう、こんなときに行ったり来たりすんなー!!気が散るー!!怒りの力のおかげか、このときのプッシュで看護婦さんが「あああああ、出てきた出てきた!!!」と叫んだ。すると助産婦さんが「もう少しよ!あとちょっとで出るけど・・お母さんは?」「今部屋の外に・・」というと「あら、見たくないのかしら。どうする?待ってみる?」・・・まてねーよ!!

「いいです!」と叫んで次の波でプッシュする。すると母が入ってきて、助産婦さんが「お母さんお母さん、みてみてみて!」と母を呼び寄せる。母が私のまたの間を覗き込んで「あああああ!」と声にならない声を上げる。「父さんは?」ときくと「今、出発しちゃったのよ。」と母。そうか〜。本当に後ちょっとだったのにな、残念。「さあ、次のプッシュで出すわよ!」と看護婦さん。最後の最後だとありったけの力をこめる。そして。

13:50

そら、誕生。

母が横で泣いている。大きな泣き声とともに赤黒い物体がどさっと私の上に置かれる。はじめまして。私がママよ。私の第一声は「でけーっ!」だった。(笑)いや、本当にでかい。こりゃでかいよ。助産婦さんも「まあ、大きな赤ちゃんねぇ〜。」と言っている。体重はかるまでもない。ぜったいりっきよりもでかいって。

すると部屋のカーテンが開いた。そこに父が立っていた。「あれ?もう行ったんじゃなかったの?」と母がきくと、「途中で、預かっていた家の鍵を渡すのを忘れたことに気がついて戻ってきたんだ。そしたらこの部屋の前に来たときに産声が聞こえて!!」と父。そうだったのか。それはよかった!ささっと見せたくない部分をシーツで隠しつつ、爺も目を私の上の赤ちゃんだけに一点集中しつつ、(笑)会話をした。父も満面の笑顔だった。「飛行機の時間、遅れるよ。ありがとう。気をつけて帰ってね。」と私がいうと、「うん、おめでとう!」そう言って部屋を出て行った。よかった、間に合って。

へその緒を誰が切る?と聞かれて、母はぶるんぶるんと首を横に振ったので、私が自分で切ることにした。はさみを持たされて太い青黒いコードのようなものを切る。硬いゴムを切っているような感覚だ。10ヶ月間私とそらをつないでいたものを切りはなした。ありがとう。お役目ご苦労様でした。しばらくして後産が始まり、胎盤もでてきた。前回と同じく、研究に使うことを許可してくれ、と言われたので、「どうぞ大事に使ってあげてください。」と答えた。

14:10 「おめでとうございます〜。」と部屋に二人の看護婦が入ってきた。この二人がこれからアフターケアをしてくれるらしい。そらの体重を量ってくれた。なんと3770g。やっぱりりっきよりでかかった。よかったよ、今日産んでおいて。あと1週間待ってたら、余裕で4キロ超えてたべ。看護婦が「特に問題なければ18:00には帰れますからね。」と声をかけてきた。18:00ってあと4時間じゃん・・まあ、わかってたけどさ。

助産婦が私の股の間でなにやらごそごそやっている。今回はオマタの切開はしなかったけど、自然に切れた傷がすこしある、という。縫わなくてもなんとかなりそうだけど、縫ったほうが治りが早いと思うわよ、どうする?と言われたので「やっちゃってください。」と答えた。服を着せられたそらが私のところに帰ってきた。オランダでは産んだ後すぐに体をきれいにしないので、まだあちこちに体脂やら血やらがついている。「おっぱい、あげてみる?」と言われておっぱいをくわえさせるとすぐにくわえて吸い始めた。まだおっぱいは出ていないけれど、授乳の懐かしい感覚がよみがえってきた。

ああ、なんだか幸せだ。

15:00 しばらくしてから「そろそろ病室に移ります。その前にシャワーを浴びますか?」と言われた。「はい、おねがいします。」と答えると車椅子が運ばれてきた。「立ち上がれますか?」と言われて立ち上がってみようとしたけど、まだ麻酔が効いている足に力が入らず、立ち上がれない。看護婦二人に抱えられながら車椅子に座り、シャワー室に行き、シャワーを浴びた。こんな状態であと3時間後に帰れるんですか、私・・。
15:10 シャワーを浴びて通された部屋はベッドが2つの病室。母とそらが待っていた。ベッドに横たわらせてもらい、そらを抱っこさせてもらう。改めてまじまじとそらを見て、「こんなでっかいのがおなかに入ってたんだ・・。」とびびる。(笑)
17:30

産後すぐの食事。食えるか。

お茶飲んだりうつらうつらしたりして時間をすごす。「お食事ですよ。」と運ばれてきた中身を覗き込む。食えねって。あぶらっこすぎます・・・。(涙)いいんだ。明日の夜は母さんがお赤飯とお頭付きの鯛焼いてくれるからさ。

そして、むろとりっきがやってきた。りっきは幼稚園の後、お友達の家に預かってもらっていた。会議が17時過ぎにやっと終わったむろがそのお友達のおうちに迎えに行ってくれて、そのまま病院にやってきたのだ。実は前日の夜から少し様子がおかしかったりっき、今日も一日なんだか落ち着かなかったらしい。前の日の夜に「明日はママとパパは朝早く病院に行くから、おきたときにパパとママはいないけれど、ばあばとじいじがいるから大丈夫よ。だから泣かないでちゃんと幼稚園に行ってね。」と話してあったけれど、やはり朝起きたときに「ママー!パパー!」と泣いたそうだ。お友達の家でも「ママがいい・・」と泣いたそうだし、むろが迎えに行ったときも少し変だった、という。

むろはそらをみて「小さいな〜」と、でも、うれしそうに目を細めて抱き上げて、りっきに「ほら、そらちゃんだよ。」と見せた。

はじめまして。

不思議そうな顔をしてそらを見つめるりっき。何も言わない。「ママのおなかの中にいた赤ちゃんだよ。今日、ママは一生懸命がんばってそらを外に出したんだよ。」とむろがいうと、「あかちゃん、抱っこしたい。」とりっきが言った。ベッドの上にりっきを座らせて、ひざの上にそらを乗せる。そーっとそらの頭をなでて、「そらちゃん。」とつぶやいたりっき。「りっき、お兄ちゃんになったね。」と言うと私を見てにっこりと笑った。

18:00 普段は時間にルーズなオランダ人。なぜかこういうときだけはきっちり18:00に看護婦がやってきて「はい、これが必要書類。」などといいながら退院手続きを始めた。車椅子を押してきて、「これを使ってね。」といって部屋をでていった。むろがよろける私を抱えながら車椅子に乗せてくれた。それくらい手伝ってくれよ、看護婦・・。

こうして私の二人目出産は終わった。妊娠発覚当時から言い続けてきた「完全無痛分娩」は「不完全無痛分娩」に終わった。私ってよっぽどついてないんだと思うわ。友達にこの話をしたら「日記のネタになっていいじゃん。」と言われたが、こんなネタはいりません。普通に無痛分娩で、「無痛ですっぽーん!と産んできました〜!いやあ、いいねぇ、無痛!さいこー!」とかいう一言で二人目出産記録終わりたかったよ。(涙)

一応家に帰ってから今回の硬膜外麻酔について調べてみたけど、経験者はみんな「あんなに楽なお産はなかったです♪」とか「痛みが本当にないのにはびっくり♪」とか「絶対次の子も無痛でいきます!これならあと5人は産めるって感じ♪」なんていう夢のような体験談が満載だったよ。いったい何がどうやって私の分娩になったのか今でもよくわからん。確かにお産の進みは速くてその分は楽だったけど、それと無痛分娩はなんも関係ないからね。終わった後に助産婦さんに「何で痛かったんでしょう?」ってきいたら「あなたはアンラッキーだったね〜。」と言われた。アンラッキー、で片付けんなよ。もしかしたらこれが6・6・6のなせるわざだったのかもね。ま、無事に生まれたからいいけどさ、もう。(涙)

数日後。

 

順調にすくすくそだってます。産後レポートはまた後日書きます。

以上、ご精読ありがとうございました〜♪

おしまい。

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